定冠詞と不定冠詞の使い分け

不定冠詞(a, an)と定冠詞(the)の使い分けは、我々日本人にとっては理解しにくい点の一つです。その理由として、日本語では不定冠詞・定冠詞にあたる言葉を使わないケースが一般的だからです。例えば”I have a pen.”の自然な日本語訳は「私はペンを持っています」であり、不定冠詞の”a”は無視されるからです。しかし、英語を始めとするヨーロッパの言語の中では不定冠詞・定冠詞は文の内容を伝えるのに、非常に重要な役割を果たしています。例えば次の二組の文を読んでください。

 

パスタの入っているのはどちら?

She poured pasta on a bowl.  She put the bowl on a table.

She poured pasta on a bowl.  She put a bowl on a table.

 

二つのテーブルの上のボウルの内、パスタが盛られているのはどちらでしょう?そうです、上の例です。定冠詞がついた上の後半の文の”the bowl”は、前半の文にある”a bowl”と同一の”bowl”を示しています。しかし下の文の前半の”a bowl”と後半の”a bowl”は、二つの不定冠詞でしめされる別の”bowl”をです。つまり下の文のボウルは空です。

 

少し冗長になりますが、上の英文の意味するところ詳しく書くと次の様になります。

 

彼女はひとつのボウルにパスタを入れた。彼女は、そのボウルをテーブルの上に置いた。

彼女はひとつのボウルにパスタを入れた。彼女は(もう)ひとつのボウルをテーブルの上に置いた。

 

どうですか、たった一つの不定冠詞・定冠詞の違いで文章の意味が驚くほど違ってきますね。しかし、それ程難しく考える必要はありません。不定冠詞・定冠詞が何故使い分けれられているかを意識して文を読めば良いのです。別の例を示します。

 

何人の男性が居ますか?

There was a man.  The man was standing in front of my house.  A man had a big bag in his hand.  The man was talking to a man.

 

さて、上の文章には何人の男性が登場するでしょう?正解は3人です。先ず1人目は最初の文の”a man”、そして二つ目の文の”The Man”は定冠詞で示されていますから、最初の文と同一人物です。3つ目の文頭の”A man”は不定冠詞ですから、前述の”the man”とは別の”man”です。4つ目の文の”The man”は前の文の”a man”を示しています。4つ目の文の最後の”a man”は、不定冠詞ですから、また別の3人目の男性を示しています。

 

それでは、次の様に変えるとどうなりますか?

 

There was a man.  A man was standing in front of my house.  A man had a big bag in his hand.  A man was talking to a man.

 

この例文では全ての”man”が不定冠詞で示されていますから、全て別の5人の男性であることになります。

 

定冠詞に慣れる

定冠詞(the)を英和辞典でひくと「その」と訳されている事が多いと思いますが、もうひとつピンとこない方も多いと思います。実際には、「そのもの」とか「まさしくその」ぐらいのニュアンスで考えたほうがわかりやすいと思います。例えば最初の例文は

 

彼女はひとつのボウルにパスタを入れた。彼女は、まさしくそのボウルをテーブルの上に置いた。

 

不定冠詞、定冠詞を使いこなせるようになると、前後の文中の名詞の関係をはっきりと示すことができ、より理解されやすい文を書くことができるようになります。その為には、英文を読むときに、不定冠詞・定冠詞の使われ方に着目をするように心がけましょう。

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